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論文「現代日本のサブカルチャーにおける(旧)ユーゴスラヴィア地域の表象とイメージ」が出ました

 修論の片手間に書いた論文(っぽいもの)の電子版が発行されたのでお知らせします.紙媒体では3月に出ていたのですが,リポジトリで公開されたのは今月初めです.大学のリポジトリで無料公開されておりますので是非ともお読みください.

 UT Repository: 現代日本のサブカルチャーにおける(旧)ユーゴスラヴィア地域への表象とイメージ : 紛争・ノスタルジア・サライェヴォ

 正確な書誌情報は,
・中澤拓哉「現代日本のサブカルチャーにおける(旧)ユーゴスラヴィア地域の表象とイメージ――紛争・ノスタルジアサライェヴォ」『比較文学・文化論集』第30号,2013年,43-55頁
です.なお本稿は査読を経ておりません.

 何点か補足をしておきます.本稿が印刷されている間に,Aleksandar Bošković, “Yugonostalgia and Yugoslav Cultural Memory: Lexicon of Yu Mythology,” Slavic Review 72: 1 (2013), pp.54-78という論文を読みました.これは2005年に出たLeksikon Yu Mitologijeという本を分析した研究なのですが,「過去の理想化」と批判されがちなユーゴノスタルジアは,しかしまず何よりも現在への批判的眼差しなのであり,ナショナリスティクな支配的言説への対抗なのであると論じています(pp.75-76).本稿も,この論文でいわれているようなことを盛り込めれば,もっと実りの多いものになったのかもしれないなあと思います.

 また,本稿47-48頁において,マーヤのユーゴスラヴィア主義を「時代考証的におかしい」と切り捨てていますが,これは党の指導的イデオロギーと,多民族都市に暮らす一人の少女の懐く理想とを同列に語り前者をもって後者を否定するあまりに粗雑な議論展開であると自分でも反省しております.ここはもうちょっとミクロな視点についての文献を読み込んでから書くべきでした.

 以上のように諸々の恥ずかしい点が出て来る本稿ですが,今後の何かしらの足がかりになればいいなあと思っております.